ミカムロ配合錠AP/ミカムロ配合錠BP


作成又は改訂年月

**2017年5月改訂(第13版)
2016年9月改訂

日本標準商品分類番号

872149

日本標準商品分類番号等

再審査結果公表年月(最新)
*2016年3月
国際誕生年月
2009年10月

薬効分類名

胆汁排泄型持続性AT1受容体ブロッカー/持続性Ca拮抗薬合剤

承認等

販売名
ミカムロ配合錠AP

販売名コード

2149117F1025

承認・許可番号

承認番号
22200AMX00868000
商標名
Micamlo Combination Tablets AP

薬価基準収載年月

2010年9月

販売開始年月

2010年10月

貯法・使用期限等

貯法
室温保存(【取扱い上の注意】の項参照)
使用期限
外箱、容器に使用期限を表示

規制区分

劇薬
処方箋医薬品
(注意−医師等の処方箋により使用すること)

組成

成分・含量
1錠中
テルミサルタン 40mg
アムロジピンベシル酸塩 6.93mg(アムロジピンとして5mg)
添加物
D-マンニトール、メグルミン、ポリオキシエチレン[160]ポリオキシプロピレン[30]グリコール、軽質無水ケイ酸、トウモロコシデンプン、ヒドロキシプロピルセルロース、ステアリン酸マグネシウム、ヒプロメロース、マクロゴール6000、酸化チタン、タルク、三二酸化鉄

性状

剤形
淡赤色のフィルムコート錠
外形
raster
直径
約8.5mm
厚さ
約4.0mm
重さ
約0.25g
識別コード
raster
販売名
ミカムロ配合錠BP

販売名コード

2149117F2021

承認・許可番号

承認番号
22400AMX01480000
商標名
Micamlo Combination Tablets BP

薬価基準収載年月

2013年5月

販売開始年月

2013年5月

貯法・使用期限等

貯法
室温保存(【取扱い上の注意】の項参照)
使用期限
外箱、容器に使用期限を表示

規制区分

劇薬
処方箋医薬品
(注意−医師等の処方箋により使用すること)

組成

成分・含量
1錠中
テルミサルタン 80mg
アムロジピンベシル酸塩 6.93mg(アムロジピンとして5mg)
添加物
D-マンニトール、メグルミン、ポリオキシエチレン[160]ポリオキシプロピレン[30]グリコール、軽質無水ケイ酸、トウモロコシデンプン、ヒドロキシプロピルセルロース、ステアリン酸マグネシウム、ヒプロメロース、マクロゴール6000、酸化チタン、タルク、三二酸化鉄

性状

剤形
淡赤色のフィルムコート錠
外形
raster
直径
約11mm
厚さ
約4.9mm
重さ
約0.49g
識別コード
raster

一般的名称

テルミサルタン/アムロジピンベシル酸塩配合錠

禁忌

(次の患者には投与しないこと)
1.
本剤の成分及びジヒドロピリジン系化合物に対し過敏症の既往歴のある患者
2.
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人[「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照]
3.
胆汁の分泌が極めて悪い患者又は重篤な肝障害のある患者[「慎重投与」の項参照]
4.
アリスキレンフマル酸塩を投与中の糖尿病患者(ただし、他の降圧治療を行ってもなお血圧のコントロールが著しく不良の患者を除く)
[非致死性脳卒中、腎機能障害、高カリウム血症及び低血圧のリスク増加が報告されている。(「重要な基本的注意」の項参照)]

効能・効果/用法・用量

効能・効果

高血圧症

効能・効果に関連する使用上の注意

過度な血圧低下のおそれ等があり、本剤を高血圧治療の第一選択薬としないこと。

用法・用量

成人には1日1回1錠(テルミサルタン/アムロジピンとして40mg/5mg又は80mg/5mg)を経口投与する。本剤は高血圧治療の第一選択薬として用いない。

用法・用量に関連する使用上の注意

1.
以下のテルミサルタンとアムロジピンベシル酸塩の用法・用量を踏まえ、患者毎に本剤の適応を考慮すること。
テルミサルタン
通常、成人にはテルミサルタンとして40mgを1日1回経口投与する。ただし、1日20mgから投与を開始し漸次増量する。なお、年齢・症状により適宜増減するが、1日最大投与量は80mgまでとする。
アムロジピンベシル酸塩
・高血圧症
通常、成人にはアムロジピンとして2.5〜5mgを1日1回経口投与する。なお、症状に応じ適宜増減するが、効果不十分な場合には1日1回10mgまで増量することができる。
2.
ミカムロ配合錠AP(テルミサルタン/アムロジピンとして40mg/5mg)については、原則として、テルミサルタン40mg及びアムロジピン5mgを併用している場合、あるいはいずれか一方を使用し血圧コントロールが不十分な場合に、本剤への切り替えを検討すること。
3.
ミカムロ配合錠BP(テルミサルタン/アムロジピンとして80mg/5mg)については、原則として、テルミサルタン80mg及びアムロジピン5mgを併用している場合、あるいは以下のいずれかを使用し血圧コントロールが不十分な場合に、本剤への切り替えを検討すること。
・テルミサルタン80mg
・テルミサルタン40mg及びアムロジピン5mgの併用
・ミカムロ配合錠AP
4.
肝障害のある患者に投与する場合、テルミサルタン/アムロジピンとして40mg/5mgを超えて投与しないこと。[「慎重投与」の項参照]

使用上の注意

慎重投与

(次の患者には慎重に投与すること)
1.
両側性腎動脈狭窄のある患者又は片腎で腎動脈狭窄のある患者[「重要な基本的注意」の項参照]
2.
高カリウム血症の患者[「重要な基本的注意」の項参照]
3.
肝障害のある患者[テルミサルタンは主に胆汁中に排泄されるため、テルミサルタンのクリアランスが低下することがある。また、外国において肝障害患者でテルミサルタンの血中濃度が約3〜4.5倍上昇することが報告されている。アムロジピンは主に肝で代謝されるため、肝機能障害患者では、血中濃度半減期の延長及び血中濃度−時間曲線下面積(AUC)が増大することがある。(「薬物動態」の項参照)]
4.
重篤な腎障害のある患者[腎機能を悪化させるおそれがあるため、血清クレアチニン値3.0mg/dL以上の場合には、慎重に投与すること。]
5.
脳血管障害のある患者[過度の降圧が脳血流不全を引き起こし、病態を悪化させるおそれがある。]
6.
高齢者[「高齢者への投与」の項参照]

重要な基本的注意

1.
本剤は、テルミサルタン40mg又は80mgとアムロジピン5mgとの配合剤であり、テルミサルタンとアムロジピン双方の副作用が発現するおそれがあるため、適切に本剤の使用を検討すること。
2.
本剤の成分であるテルミサルタンは、両側性腎動脈狭窄のある患者又は片腎で腎動脈狭窄のある患者においては、腎血流量の減少や糸球体ろ過圧の低下により急速に腎機能を悪化させるおそれがあるので、治療上やむを得ないと判断される場合を除き、使用は避けること。
3.
本剤の成分であるテルミサルタンは、高カリウム血症の患者において、高カリウム血症を増悪させるおそれがあるので、治療上やむを得ないと判断される場合を除き、使用は避けること。
また、腎機能障害、コントロール不良の糖尿病等により血清カリウム値が高くなりやすい患者では、高カリウム血症が発現するおそれがあるので、血清カリウム値に注意すること。
4.
アリスキレンフマル酸塩を併用する場合、腎機能障害、高カリウム血症及び低血圧を起こすおそれがあるため、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。なお、eGFRが60mL/min/1.73m2未満の腎機能障害のある患者へのアリスキレンフマル酸塩との併用については、治療上やむを得ないと判断される場合を除き避けること。
5.
本剤の投与によって、急激な血圧低下を起こすおそれがあるので、特に次の患者に投与する場合は患者の状態を十分に観察すること。
(1)
血液透析中の患者
(2)
利尿降圧剤投与中の患者
(3)
厳重な減塩療法中の患者
6.
降圧作用に基づくめまい、ふらつきがあらわれることがあるので、高所作業、自動車の運転等危険を伴う機械を操作する際には注意させること。
7.
手術前24時間は投与しないことが望ましい。
8.
本剤の成分であるテルミサルタンを含むアンジオテンシンII受容体拮抗剤投与中に肝炎等の重篤な肝障害があらわれたとの報告がある。肝機能検査を実施するなど、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
9.
本剤の成分であるアムロジピンは血中濃度半減期が長く投与中止後も緩徐な降圧効果が認められるので、本剤投与中止後に他の降圧剤を使用するときは、用量並びに投与間隔に留意するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。

相互作用

テルミサルタンは、主としてUGT酵素(UDP-グルクロノシルトランスフェラーゼ)によるグルクロン酸抱合によって代謝される。また、テルミサルタンは薬物代謝酵素P450では代謝されない。なお、アムロジピンの代謝には主として薬物代謝酵素CYP3A4が関与していると考えられている。

併用注意

(併用に注意すること)
薬剤名等
ジゴキシン
臨床症状・措置方法
テルミサルタンとの併用により、血中ジゴキシン濃度が上昇したとの報告があるので、血中ジゴキシン濃度に注意すること。1)
機序・危険因子
テルミサルタン:機序不明
薬剤名等
カリウム保持性利尿剤(スピロノラクトン、トリアムテレン等)
カリウム補給剤
臨床症状・措置方法
血清カリウム濃度が上昇するおそれがあるので注意すること。
機序・危険因子
テルミサルタン:カリウム貯留作用が増強するおそれがある。
危険因子:特に腎機能障害のある患者
薬剤名等
リチウム製剤(炭酸リチウム)
臨床症状・措置方法
アンジオテンシン変換酵素阻害剤との併用により、リチウム中毒を起こすことが報告されているので、血中リチウム濃度に注意すること。
機序・危険因子
テルミサルタン:明確な機序は不明であるが、ナトリウムイオン不足はリチウムイオンの貯留を促進するといわれているため、テルミサルタンがナトリウム排泄を促進することにより起こると考えられる。
薬剤名等
**非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)
COX-2選択的阻害剤
臨床症状・措置方法
糸球体ろ過量がより減少し、腎障害のある患者では急性腎障害を引き起こす可能性がある。
機序・危険因子
テルミサルタン:プロスタグランジン合成阻害作用により、腎血流量が低下するためと考えられる。
薬剤名等
非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)
COX-2選択的阻害剤
臨床症状・措置方法
降圧薬の効果を減弱させることが報告されている。
機序・危険因子
テルミサルタン:血管拡張作用を有するプロスタグランジンの合成が阻害されるため、降圧薬の血圧低下作用を減弱させると考えられている。
薬剤名等
**アンジオテンシン変換酵素阻害剤
臨床症状・措置方法
急性腎障害を含む腎機能障害、高カリウム血症及び低血圧を起こすおそれがあるため、腎機能、血清カリウム値及び血圧を十分に観察すること。2)
機序・危険因子
テルミサルタン:併用によりレニン-アンジオテンシン系阻害作用が増強される可能性がある。
薬剤名等
アリスキレンフマル酸塩
臨床症状・措置方法
腎機能障害、高カリウム血症及び低血圧を起こすおそれがあるため、腎機能、血清カリウム値及び血圧を十分に観察すること。なお、eGFRが60mL/min/1.73m2未満の腎機能障害のある患者へのアリスキレンフマル酸塩との併用については、治療上やむを得ないと判断される場合を除き避けること。
機序・危険因子
テルミサルタン:併用によりレニン-アンジオテンシン系阻害作用が増強される可能性がある。
薬剤名等
降圧作用を有する薬剤
臨床症状・措置方法
相互に作用を増強するおそれがある。慎重に観察を行うなど注意して使用すること。
機序・危険因子
相互に作用を増強するおそれがある。
薬剤名等
CYP3A4阻害剤(エリスロマイシン、ジルチアゼム、リトナビル、イトラコナゾール等)
臨床症状・措置方法
エリスロマイシン及びジルチアゼムとの併用により、アムロジピンの血中濃度が上昇したとの報告がある。
機序・危険因子
アムロジピンの代謝が競合的に阻害される可能性が考えられる。
薬剤名等
CYP3A4誘導剤(リファンピシン等)
臨床症状・措置方法
アムロジピンの血中濃度が低下するおそれがある。
機序・危険因子
アムロジピンの代謝が促進される可能性が考えられる。
薬剤名等
グレープフルーツジュース
臨床症状・措置方法
アムロジピンの降圧作用が増強されるおそれがある。同時服用をしないように注意すること。
機序・危険因子
グレープフルーツに含まれる成分がアムロジピンの代謝を阻害し、アムロジピンの血中濃度が上昇する可能性が考えられる。
薬剤名等
シンバスタチン
臨床症状・措置方法
アムロジピンベシル酸塩とシンバスタチン80mg(国内未承認の高用量)との併用により、シンバスタチンのAUCが77%上昇したとの報告がある。
機序・危険因子
機序不明
薬剤名等
タクロリムス
臨床症状・措置方法
アムロジピンベシル酸塩との併用によりタクロリムスの血中濃度が上昇し、腎障害等のタクロリムスの副作用が発現するおそれがある。併用時にはタクロリムスの血中濃度をモニターし、必要に応じてタクロリムスの用量を調整すること。
機序・危険因子
アムロジピンとタクロリムスは、主としてCYP3A4により代謝されるため、併用によりタクロリムスの代謝が阻害される可能性が考えられる。

副作用

副作用等発現状況の概要

*国内における全ての臨床試験では、869例にテルミサルタン/アムロジピンとして40mg/5mg又は80mg/5mgが投与され、26例(3.0%)に臨床検査値の異常を含む副作用が認められている。主な副作用は浮動性めまい(0.5%,4/869例)、体位性めまい(0.3%,3/869例)等であった。(承認時)
国内における特定使用成績調査(長期使用に関する調査)では、調査症例1,109例中60例に臨床検査値の異常を含む副作用が認められている。主な副作用は浮動性めまい(0.5%,5/1,109例)、肝機能異常(0.4%,4/1,109例)等であった。(再審査終了時)

重大な副作用

1.
血管浮腫(頻度不明)
顔面、口唇、咽頭・喉頭、舌等の腫脹を症状とする血管浮腫があらわれ、喉頭浮腫等により呼吸困難を来した症例も報告されているので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
2.
高カリウム血症(0.1%未満)
重篤な高カリウム血症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、直ちに適切な処置を行うこと。
3.
腎機能障害(0.2%)
腎不全を呈した例が報告されているので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
4.
ショック、失神、意識消失(いずれも頻度不明)
ショック、血圧低下に伴う失神、意識消失があらわれることがあるので、観察を十分に行い、冷感、嘔吐、意識消失等があらわれた場合には、直ちに適切な処置を行うこと。特に血液透析中、厳重な減塩療法中、利尿降圧剤投与中の患者では低用量から投与を開始し、増量する場合は患者の状態を十分に観察しながら徐々に行うこと。
5.
劇症肝炎(頻度不明)、肝機能障害(0.1%未満)、黄疸(頻度不明)
劇症肝炎、AST(GOT)、ALT(GPT)、Al-P、LDH、γ-GTPの上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
6.
低血糖(頻度不明)
低血糖があらわれることがある(糖尿病治療中の患者であらわれやすい)ので、観察を十分に行い、脱力感、空腹感、冷汗、手の震え、集中力低下、痙攣、意識障害等があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
7.
アナフィラキシー(頻度不明)
呼吸困難、血圧低下、喉頭浮腫等が症状としてあらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
8.
間質性肺炎(頻度不明)
発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常等を伴う間質性肺炎があらわれることがあるので、このような場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
9.
**横紋筋融解症(頻度不明)
筋肉痛、脱力感、CK(CPK)上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇を特徴とする横紋筋融解症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。また、横紋筋融解症による急性腎障害の発症に注意すること。
10.
無顆粒球症、白血球減少、血小板減少(いずれも頻度不明)
無顆粒球症、白血球減少、血小板減少があらわれることがあるので、検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
11.
房室ブロック(頻度不明)
房室ブロック(初期症状:徐脈、めまい等)があらわれることがあるので、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
以上のような副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、症状があらわれた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。

その他の副作用

*過敏症注1)
0.1〜0.5%未満
湿疹、発疹
過敏症注1)
頻度不明注2)
そう痒、蕁麻疹、紅斑、多形紅斑、光線過敏症、血管炎
*精神神経系
0.1〜0.5%未満
浮動性めまい注3)、体位性めまい注3)、頭痛
*精神神経系
0.1%未満
頭重
精神神経系
頻度不明注2)
片頭痛、眠気、不眠、頭のぼんやり感、不安感、抑うつ状態、気分動揺、振戦、末梢神経障害、錐体外路症状
*血液
0.1%未満
貧血、好酸球上昇
血液
頻度不明注2)
白血球増加、赤血球減少、ヘモグロビン減少、紫斑
*循環器
0.1〜0.5%未満
低血圧、心房細動
循環器
頻度不明注2)
心悸亢進、動悸、上室性頻脈、上室性期外収縮、期外収縮、徐脈、洞房ブロック、洞停止、ほてり、ふらつき、起立性低血圧、頻脈
*消化器
0.1〜0.5%未満
逆流性食道炎
*消化器
0.1%未満
口渇、口内炎、腹部膨満、心窩部不快感、腹痛、下痢
消化器
頻度不明注2)
(連用により)歯肉肥厚注1)、食欲不振、消化不良、心窩部痛、嘔気、嘔吐、胃炎、胃腸炎、鼓腸、排便回数増加、軟便、便秘、膵炎
*肝臓
0.1〜0.5%未満
AST(GOT)、ALT(GPT)、Al-P、LDH、γ-GTP上昇等の肝機能異常
肝臓
頻度不明注2)
腹水
*呼吸器
0.1〜0.5%未満
喘息
*呼吸器
0.1%未満
呼吸器
頻度不明注2)
鼻出血、喀痰増加、咽頭炎、呼吸困難
*泌尿・生殖器
0.1〜0.5%未満
血中尿酸値上昇
*泌尿・生殖器
0.1%未満
血清クレアチニン上昇、BUN上昇
泌尿・生殖器
頻度不明注2)
尿管結石、排尿障害、尿潜血陽性、尿中蛋白陽性、勃起障害、頻尿、女性化乳房
*代謝異常
0.1〜0.5%未満
糖尿病
代謝異常
頻度不明注2)
血清コレステロール上昇、高血糖、尿中ブドウ糖陽性
*骨格筋
0.1%未満
背部痛、筋痙攣
骨格筋
頻度不明注2)
関節痛、筋肉痛、下肢痛、腱炎、下肢痙攣、筋緊張亢進
*電解質
0.1%未満
血清カリウム上昇
電解質
頻度不明注2)
血清カリウム減少
*一般的全身障害
0.1%未満
疲労、浮腫
一般的全身障害
頻度不明注2)
倦怠感、脱力感、発熱、胸痛、疼痛、しびれ、体重増加、体重減少
*その他
0.1%未満
耳鳴、眼痛、CK(CPK)上昇
その他
頻度不明注2)
結膜炎、目のチカチカ感、羞明、視覚異常、視力異常、鼻炎、上気道感染、インフルエンザ様症状、尿路感染、膀胱炎、敗血症、多汗、脱毛、皮膚変色、味覚異常、異常感覚、CRP陽性
本剤の投与により以上のような副作用があらわれた場合には、症状に応じて適切な処置を行うこと。
注1)このような症状があらわれた場合には、投与を中止すること。
注2)テルミサルタン、アムロジピンベシル酸塩単剤で認められている副作用又は海外で認められている本剤の副作用のため、頻度不明
注3)このような症状があらわれた場合には、休薬するなど適切な処置を行うこと。

高齢者への投与

1.
高齢者に投与する場合には、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。[一般に過度の降圧は好ましくないとされている(脳梗塞等が起こるおそれがある)。]
2.
国内臨床試験では65歳未満の非高齢者と65歳以上の高齢者において本剤の降圧効果及び副作用に差はみられなかった。
3.
本剤の成分であるテルミサルタンでは、高齢者と非高齢者との間でAUC及びCmaxに差はみられなかった。アムロジピンでは、高齢者での体内動態試験で血中濃度が高く、血中濃度半減期が長くなる傾向が報告されている。

妊婦、産婦、授乳婦等への投与

1.
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと。また、投与中に妊娠が判明した場合には、直ちに投与を中止すること。[妊娠中期及び末期に本剤を含むアンジオテンシンII受容体拮抗剤を投与された高血圧症の患者で羊水過少症、胎児・新生児の死亡、新生児の低血圧、腎不全、高カリウム血症、頭蓋の形成不全及び羊水過少症によると推測される四肢の拘縮、頭蓋顔面の奇形、肺の発育不全等があらわれたとの報告がある。アムロジピンでは、動物実験で妊娠末期に投与すると妊娠期間及び分娩時間が延長することが報告されている。]
2.
**授乳中の婦人には投与することを避け、やむを得ず投与する場合には授乳を中止させること。[テルミサルタンの動物実験(ラット)で、乳汁中へ移行することが報告されている。また、テルミサルタンでは動物実験(ラット出生前、出生後の発生及び母動物の機能に関する試験)の15mg/kg/日以上の投与群で出生児の4日生存率の低下、50mg/kg/日投与群で出生児の低体重及び身体発達の遅延が報告されている。アムロジピンはヒト母乳中へ移行することが報告されている3)

小児等への投与

低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)。

過量投与

1.
症状
本剤の過量投与に関する情報は得られていない。本剤の成分であるテルミサルタンの過量服用(640mg)により、低血圧及び頻脈があらわれたとの報告がある。また、めまいがあらわれるおそれがある。また、アムロジピンでは、過度の末梢血管拡張により、ショックを含む著しい血圧低下と反射性頻脈を起こすことがある。
2.
処置
過量服用の場合は、次のような処置を行うこと。なお、テルミサルタンは血液透析によって除去されない。アムロジピンは、蛋白結合率が高いため、透析による除去は有効ではない。また、アムロジピンベシル酸塩服用直後に活性炭を投与した場合、本剤のAUCは99%減少し、服用2時間後では49%減少したことから、本剤過量投与時の吸収抑制処置として活性炭投与が有効であると報告されている。
(1)
心・呼吸機能のモニターを行い、頻回に血圧を測定する。著しい血圧低下が認められた場合は、四肢の挙上、輸液の投与等、心血管系に対する処置を行う。症状が改善しない場合は、循環血液量及び排尿量に注意しながら昇圧剤の投与を考慮する。
(2)
胃洗浄、及び活性炭投与

適用上の注意

1.
薬剤交付時
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。[PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。]
2.
服用時
本剤を食後に服用している患者には、毎日食後に服用するよう注意を与えること。
[本剤の薬物動態は食事の影響を受け、空腹時投与した場合は、食後投与よりもテルミサルタンの血中濃度が高くなることが報告されており、副作用が発現するおそれがある。(「薬物動態」の項参照)]

その他の注意

因果関係は明らかでないが、アムロジピンベシル酸塩による治療中に心筋梗塞や不整脈(心室性頻拍を含む)がみられたとの報告がある。

薬物動態

1.
血中濃度
(1)
単回投与
日本人健康成人男子にテルミサルタン/アムロジピン40mg/5mg配合剤及びテルミサルタン/アムロジピン80mg/5mg配合剤を空腹時単回経口投与したときのテルミサルタン及びアムロジピンの薬物動態パラメータは以下のとおりであった。単剤のときと同様に、テルミサルタンのCmaxは用量比以上に上昇した。4-6)
単回投与:テルミサルタン 40mg/5mg配合剤(n=30)
Cmax(ng/mL)a):87.0(77.3)
AUC0-∞(ng・hr/mL)a):808(62.8)
t1/2(hr)a):20.1(35.9)
tmax(hr)b):1.50(0.500-4.00)
単回投与:テルミサルタン 80mg/5mg配合剤(n=126)
Cmax(ng/mL)a):471(88.1)
AUC0-∞(ng・hr/mL)a):2410(60.4)c)
t1/2(hr)a):23.3(52.5)c)
tmax(hr)b):0.750(0.500-4.00)
単回投与:アムロジピン 40mg/5mg配合剤(n=30)
Cmax(ng/mL)a):3.39(19.7)
AUC0-∞(ng・hr/mL)a):156(27.8)
t1/2(hr)a):38.4(18.9)
tmax(hr)b):6.00(4.00-12.0)
単回投与:アムロジピン 80mg/5mg配合剤(n=29)
Cmax(ng/mL)a):3.00(21.3)
AUC0-∞(ng・hr/mL)a):137(29.8)
t1/2(hr)a):40.0(13.8)
tmax(hr)b):6.00(6.00-10.0)
a)幾何平均値(幾何変動係数[%])
b)中央値(最小値-最大値)
c)n=110
日本人健康成人男子を対象としたテルミサルタン/アムロジピン40mg/5mg配合剤と単剤併用の相対バイオアベイラビリティ試験、並びにテルミサルタン/アムロジピン80mg/5mg配合剤と単剤併用の相対バイオアベイラビリティ試験及び生物学的同等性試験において、本剤及び単剤併用を空腹時単回経口投与したときのテルミサルタン及びアムロジピンの血漿中濃度推移(算術平均±標準偏差)及び薬物動態パラメータは以下のとおりであった。本剤の血漿中濃度推移及び薬物動態パラメータは、単剤併用時と類似しており、生物学的同等性の基準を満たす製剤であることが確認されている。4-6)
raster
raster
T40/A5配合剤:テルミサルタン/アムロジピン40mg/5mg配合剤
T80/A5配合剤:テルミサルタン/アムロジピン80mg/5mg配合剤
単回投与:テルミサルタン 配合剤
40mg/5mg
例数:30
Cmax(ng/mL)a):87.0(77.3)
AUC0-tz(ng・hr/mL)a),b):752(56.0)
AUC0-∞(ng・hr/mL)a):808(62.8)
t1/2(hr)a):20.1(35.9)
tmax(hr)c):1.50(0.500-4.00)
単回投与:テルミサルタン 単剤併用
40mg/5mg
例数:30
Cmax(ng/mL)a):85.4(52.3)
AUC0-tz(ng・hr/mL)a),b):791(57.4)
AUC0-∞(ng・hr/mL)a):837(60.1)
t1/2(hr)a):20.8(39.8)
tmax(hr)c):1.75(0.250-4.00)
単回投与:アムロジピン 配合剤
40mg/5mg
例数:30
Cmax(ng/mL)a):3.39(19.7)
AUC0-tz(ng・hr/mL)a),b):145(26.7)
AUC0-∞(ng・hr/mL)a):156(27.8)
t1/2(hr)a):38.4(18.9)
tmax(hr)c):6.00(4.00-12.0)
単回投与:アムロジピン 単剤併用
40mg/5mg
例数:30
Cmax(ng/mL)a):3.21(23.6)
AUC0-tz(ng・hr/mL)a),b):138(26.7)
AUC0-∞(ng・hr/mL)a):150(27.3)
t1/2(hr)a):38.6(18.5)
tmax(hr)c):6.00(6.00-12.0)
単回投与:テルミサルタン 配合剤
80mg/5mg
例数:126
Cmax(ng/mL)a):471(88.1)
AUC0-tz(ng・hr/mL)a):1970(67.9)
AUC0-∞(ng・hr/mL)a):2410(60.4)d)
t1/2(hr)a):23.3(52.5)d)
tmax(hr)c):0.750(0.500-4.00)
単回投与:テルミサルタン 単剤併用
80mg/5mg
例数:126
Cmax(ng/mL)a):484(81.8)
AUC0-tz(ng・hr/mL)a):1950(67.0)
AUC0-∞(ng・hr/mL)a):2300(62.4)e)
t1/2(hr)a):21.3(45.1)e)
tmax(hr)c):0.750(0.250-4.00)
単回投与:アムロジピン 配合剤
80mg/5mg
例数:29
Cmax(ng/mL)a):3.00(21.3)
AUC0-tz(ng・hr/mL)a):127(27.7)
AUC0-∞(ng・hr/mL)a):137(29.8)
t1/2(hr)a):40.0(13.8)
tmax(hr)c):6.00(6.00-10.0)
単回投与:アムロジピン 単剤併用
80mg/5mg
例数:29
Cmax(ng/mL)a):2.94(20.2)
AUC0-tz(ng・hr/mL)a):122(29.4)
AUC0-∞(ng・hr/mL)a):132(32.3)
t1/2(hr)a):39.0(13.9)
tmax(hr)c):8.00(3.00-12.0)
a)幾何平均値(幾何変動係数[%])
b)n=29
c)中央値(最小値-最大値)
d)n=110
e)n=112
(2)
反復投与
日本人健康成人男子24例にテルミサルタン40mg錠とアムロジピン5mg錠、又はテルミサルタン80mg(テルミサルタン40mg錠×2錠)とアムロジピン5mg錠を1日1回10日間空腹時反復併用投与したときのテルミサルタン及びアムロジピンの血漿中濃度推移及び薬物動態パラメータは以下のとおりであった。テルミサルタンの血漿中濃度は、両投与群ともに単回投与後に比べてやや高く、累積係数は1.3〜1.9であった。また、テルミサルタンのtmax及び半減期は、両投与群ともに初回投与後と反復投与後とで類似していた。単剤のときと同様に、テルミサルタンのCmaxは用量比以上に上昇した。一方、アムロジピンの血漿中濃度推移は、両投与群ともに初回投与後に比べて高く、累積係数は2.9〜3.5であった。また、アムロジピンのtmax及び半減期は、両投与群ともに単回投与後と反復投与後とで類似していた。7)
反復投与:テルミサルタン
投与量:T40mg+A5mg
1日目
例数:12
Cmax(ng/mL)a):62.3(56.1)
tmax(hr)b):1.50(0.750-3.00)
AUCτ(ng・hr/mL)a):460(44.0)
t1/2(hr)a):20.1(43.0)
反復投与:テルミサルタン
投与量:T40mg+A5mg
10日目
例数:12
Cmax,ss(ng/mL)a):116(51.2)
tmax,ss(hr)b):1.50(0.500-3.00)
AUCτ,ss(ng・hr/mL)a):766(45.1)
t1/2,ss(hr)a):19.0(32.5)
反復投与:テルミサルタン
投与量:T80mg+A5mg
1日目
例数:12
Cmax(ng/mL)a):334(83.5)
tmax(hr)b):0.875(0.500-1.00)
AUCτ(ng・hr/mL)a):1090(72.3)
t1/2(hr)a):18.4(28.9)
反復投与:テルミサルタン
投与量:T80mg+A5mg
10日目
例数:11
Cmax,ss(ng/mL)a):398(95.1)
tmax,ss(hr)b):0.750(0.500-2.00)
AUCτ,ss(ng・hr/mL)a):1370(72.1)
t1/2,ss(hr)a):18.8(28.2)
反復投与:アムロジピン
投与量:T40mg+A5mg
1日目
例数:12
Cmax(ng/mL)a):2.89(22.6)
tmax(hr)b):4.00(3.00-8.00)
AUCτ(ng・hr/mL)a):48.5(22.5)
t1/2(hr)a):40.8(14.1)
反復投与:アムロジピン
投与量:T40mg+A5mg
10日目
例数:12
Cmax,ss(ng/mL)a):8.98(26.6)
tmax,ss(hr)b):6.00(3.00-8.00)
AUCτ,ss(ng・hr/mL)a):168(26.9)
t1/2,ss(hr)a):40.5(12.4)
反復投与:アムロジピン
投与量:T80mg+A5mg
1日目
例数:12
Cmax(ng/mL)a):3.29(27.1)
tmax(hr)b):5.00(3.00-8.00)
AUCτ(ng・hr/mL)a):55.6(31.0)
t1/2(hr)a):41.1(20.2)
反復投与:アムロジピン
投与量:T80mg+A5mg
10日目
例数:11
Cmax,ss(ng/mL)a):9.69(35.6)
tmax,ss(hr)b):6.00(3.00-8.00)
AUCτ,ss(ng・hr/mL)a):190(35.5)
t1/2,ss(hr)a):40.7(16.2)
a)幾何平均値(幾何変動係数[%])
b)中央値(最小値-最大値)
(3)
テルミサルタンとアムロジピンの相互作用
外国人健康成人男子12例にテルミサルタン120mgとアムロジピン10mgを併用投与したときとアムロジピン10mgを単独投与したときとの1日1回9日間反復投与後の薬物動態を比較した結果、アムロジピンの血漿中濃度推移は単独投与時と併用投与時とで類似しており、テルミサルタン併用投与によるアムロジピンの体内動態への影響は認められなかった。8)
外国人健康成人男女36名にテルミサルタン80mgとアムロジピン10mgを併用投与したときとテルミサルタン80mgを単独投与したときとの1日1回9日間反復投与後の薬物動態を比較した結果、テルミサルタンの血漿中濃度推移は単独投与時と併用投与時とで類似しており、アムロジピン併用投与によるテルミサルタンの体内動態への影響は認められなかった。9)
2.
食事の影響
日本人健康成人男子32例(各用量16例)に、テルミサルタン/アムロジピン40mg/5mg配合剤及びテルミサルタン/アムロジピン80mg/5mg配合剤を単回経口投与したとき、テルミサルタンは食後投与で空腹時投与に比べtmaxの中央値が遅延(食後:4.00及び3.00時間、空腹時:1.50及び1.00時間)し、Cmax及びAUCはそれぞれ63〜71%及び32〜37%低下した。一方、アムロジピンのCmax、AUC及びtmaxは空腹時投与と食後投与時とで類似しており、食事の影響は受けなかった。10)
3.
代謝・排泄
テルミサルタンとして、以下の報告がある。
テルミサルタンは主としてUGT酵素によるグルクロン酸抱合によって代謝される。テルミサルタンは尿中にはほとんど排泄されず、大部分が胆汁を介して糞中に排泄される。11,12)
外国人健康成人男子に14C-テルミサルタン40mgを空腹時に単回経口投与したとき、投与後144時間までの放射能の尿中及び糞中総排泄率はそれぞれ約0.5%及び102%であり、吸収されたテルミサルタンの大部分が胆汁を介して糞中に排泄された。11)
アムロジピンベシル酸塩として、以下の報告がある。
アムロジピンとして2.5mg又は5mgを健康成人に単回経口投与した場合の投与後6日目までの尿中累積排泄率は、いずれの用量においても約8%であった。また2.5mgを1日1回14日間反復投与した場合の尿中排泄率は投与開始6日目でほぼ定常状態に達し、6日目以降の1日当たりの未変化体の尿中排泄率は6.3〜7.4%であった。
<参考>
Beresfordらは健康成人に14C-標識アムロジピン15mgを単回経口投与した場合、投与12日目までに投与放射能の59.3%は尿中、23.4%は糞中に排泄され、尿中放射能の9%は未変化体であり、その他に9種の代謝物が認められたと報告している。なお、これら代謝物にはアムロジピンをしのぐ薬理作用は認められていない。
4.
肝障害患者への投与
テルミサルタンとして、以下の報告がある。
外国人肝障害患者男子12例(Child-Pugh分類A(軽症):8例、B(中等症):4例)にテルミサルタン20mg及び120mg注)を経口投与したとき、健康成人に比較しCmaxは4.5倍及び3倍高く、AUCは2.5倍及び2.7倍高かった。13)
注)肝障害のある患者に投与する場合の最大投与量は1日40mgである。
アムロジピンベシル酸塩として、以下の報告がある。
肝硬変患者(Child分類A,B)5例にアムロジピンとして2.5mgを単回投与した場合、健康成人に比べ、投与72時間後の血中濃度が有意に上昇し、t1/2、AUCはやや高値を示したが有意差は認められなかった。
5.
高齢者
アムロジピンベシル酸塩として、以下の報告がある。
高齢高血圧患者6例(男性2例、女性4例、平均年齢79.7歳)にアムロジピンとして5mgを単回、及び8日間反復投与した場合、若年健康者(男性6例、平均年齢22.3歳)に比し、Cmax及びAUCは有意に高値を示した。

臨床成績

1.
検証・比較試験
アムロジピン5mg(A5mg)又はテルミサルタン40mg(T40mg)単剤で降圧効果不十分な本態性高血圧患者に対して、テルミサルタン/アムロジピン40mg/5mg(T40/A5mg)配合剤は、A5mg及びT40mg単剤継続投与に比べてトラフ時座位拡張期血圧下降度及び収縮期血圧下降度で有意な降圧効果を示した。また、テルミサルタン80mg(T80mg)単剤で降圧効果不十分な本態性高血圧患者に対して、テルミサルタン/アムロジピン80mg/5mg(T80/A5mg)配合剤は、T80mg単剤継続投与に比べてトラフ時座位拡張期血圧下降度及び収縮期血圧下降度で有意な降圧効果を示した。さらに、T80/A5mg配合剤とT40/A5mg配合剤の降圧効果を比較した試験では、T80/A5mg配合剤のトラフ時座位拡張期血圧下降度及び収縮期血圧下降度はT40/A5mg配合剤を上回った。結果は下記のとおりであった。14-17)
二重盲検期投与8週のトラフ時座位血圧下降度
試験:A5で降圧効果不十分な患者を対象とした試験
投与群:T40/A5(263例)
拡張期血圧(mmHg)
投与前値平均値(SD):95.95(5.02)
下降度a)調整平均値(SE):9.56(0.61)
下降度a)群間差b):調整平均値(SE)[両側95%CI]:5.11(0.57)b)[3.98,6.23]
試験:A5で降圧効果不十分な患者を対象とした試験
投与群:A5(257例)
拡張期血圧(mmHg)
投与前値平均値(SD):95.64(4.88)
下降度a)調整平均値(SE):4.45(0.61)
下降度a)群間差b):調整平均値(SE)[両側95%CI]:5.11(0.57)b)[3.98,6.23]
試験:A5で降圧効果不十分な患者を対象とした試験
投与群:T40/A5(263例)
収縮期血圧(mmHg)
投与前値平均値(SD):144.64(11.75)
下降度a)調整平均値(SE):13.04(0.88)
下降度a)群間差b):調整平均値(SE)[両側95%CI]:7.27(0.85)b)[5.60,8.95]
試験:A5で降圧効果不十分な患者を対象とした試験
投与群:A5(257例)
収縮期血圧(mmHg)
投与前値平均値(SD):145.31(10.36)
下降度a)調整平均値(SE):5.77(0.88)
下降度a)群間差b):調整平均値(SE)[両側95%CI]:7.27(0.85)b)[5.60,8.95]
試験:T40で降圧効果不十分な患者を対象とした試験
投与群:T40/A5(153例)
拡張期血圧(mmHg)
投与前値平均値(SD):96.76(5.30)
下降度a)調整平均値(SE):13.49(0.63)
下降度a)群間差b):調整平均値(SE)[両側95%CI]:8.02(0.82)b)[6.41,9.63]
試験:T40で降圧効果不十分な患者を対象とした試験
投与群:T40(158例)
拡張期血圧(mmHg)
投与前値平均値(SD):96.57(6.05)
下降度a)調整平均値(SE):5.47(0.62)
下降度a)群間差b):調整平均値(SE)[両側95%CI]:8.02(0.82)b)[6.41,9.63]
試験:T40で降圧効果不十分な患者を対象とした試験
投与群:T40/A5(153例)
収縮期血圧(mmHg)
投与前値平均値(SD):145.66(12.18)
下降度a)調整平均値(SE):17.86(0.86)
下降度a)群間差b):調整平均値(SE)[両側95%CI]:11.35(1.12)b)[9.16,13.54]
試験:T40で降圧効果不十分な患者を対象とした試験
投与群:T40(158例)
収縮期血圧(mmHg)
投与前値平均値(SD):144.77(13.38)
下降度a)調整平均値(SE):6.51(0.84)
下降度a)群間差b):調整平均値(SE)[両側95%CI]:11.35(1.12)b)[9.16,13.54]
試験:T80で降圧効果不十分な患者を対象とした試験
投与群:T80/A5(87例)
拡張期血圧(mmHg)
投与前値平均値(SD):98.03(6.03)
下降度a)調整平均値(SE):12.28(0.73)
下降度a)群間差b):調整平均値(SE)[両側95%CI]:9.14(1.03)b)[7.09,11.18]
試験:T80で降圧効果不十分な患者を対象とした試験
投与群:T80(86例)
拡張期血圧(mmHg)
投与前値平均値(SD):98.46(6.74)
下降度a)調整平均値(SE):3.14(0.74)
下降度a)群間差b):調整平均値(SE)[両側95%CI]:9.14(1.03)b)[7.09,11.18]
試験:T80で降圧効果不十分な患者を対象とした試験
投与群:T80/A5(87例)
収縮期血圧(mmHg)
投与前値平均値(SD):143.70(13.80)
下降度a)調整平均値(SE):18.37(1.10)
下降度a)群間差b):調整平均値(SE)[両側95%CI]:14.88(1.55)b)[11.82,17.94]
試験:T80で降圧効果不十分な患者を対象とした試験
投与群:T80(86例)
収縮期血圧(mmHg)
投与前値平均値(SD):144.31(14.52)
下降度a)調整平均値(SE):3.49(1.10)
下降度a)群間差b):調整平均値(SE)[両側95%CI]:14.88(1.55)b)[11.82,17.94]
試験:T80/A5とT40/A5の降圧効果を比較した試験c)
投与群:T80/A5(112例)
拡張期血圧(mmHg)
投与前値平均値(SD):90.11(6.71)
下降度a)調整平均値(SE):4.93(0.61)
下降度a)群間差b):調整平均値(SE)[両側95%CI]:1.46(0.85)[-0.22,3.14]
試験:T80/A5とT40/A5の降圧効果を比較した試験c)
投与群:T40/A5(112例)
拡張期血圧(mmHg)
投与前値平均値(SD):90.65(7.96)
下降度a)調整平均値(SE):3.47(0.61)
下降度a)群間差b):調整平均値(SE)[両側95%CI]:1.46(0.85)[-0.22,3.14]
試験:T80/A5とT40/A5の降圧効果を比較した試験c)
投与群:T80/A5(112例)
収縮期血圧(mmHg)
投与前値平均値(SD):133.73(10.59)
下降度a)調整平均値(SE):5.55(0.90)
下降度a)群間差b):調整平均値(SE)[両側95%CI]:2.14(1.27)[-0.36,4.64]
試験:T80/A5とT40/A5の降圧効果を比較した試験c)
投与群:T40/A5(112例)
収縮期血圧(mmHg)
投与前値平均値(SD):133.49(13.61)
下降度a)調整平均値(SE):3.41(0.91)
下降度a)群間差b):調整平均値(SE)[両側95%CI]:2.14(1.27)[-0.36,4.64]
T40/A5:テルミサルタン/アムロジピン40mg/5mg配合剤
T80/A5:テルミサルタン/アムロジピン80mg/5mg配合剤
A5:アムロジピン5mg単剤
T40:テルミサルタン40mg単剤
T80:テルミサルタン80mg単剤
SD:標準偏差,SE:標準誤差,CI:信頼区間
a)共分散分析に基づく最小二乗平均値
b)p<0.0001
c)T40/A5mg配合剤投与で拡張期血圧が80mmHg未満に至らなかった患者を対象とした
2.
長期投与試験
本態性高血圧患者に対し、テルミサルタン/アムロジピン配合剤を長期投与した。T40/A5mg配合剤の6週間投与で降圧効果が得られた高血圧患者はそのまま継続投与し、降圧効果不十分な高血圧患者にはT80/A5mg配合剤を増量投与した。その結果両剤ともに長期投与による降圧効果の減弱は認められなかった。本剤(T40/A5mg配合剤及びT80/A5mg配合剤)を投与された患者全体(255例)の投与終了時(56週後)の血圧コントロール率は、拡張期87.8%(224/255例)、収縮期92.5%(236/255例)に達した。T40/A5mg配合剤では降圧効果不十分のためにT80/A5mg配合剤を増量投与した高血圧患者(48例)の投与終了時の血圧は、T80/A5mg配合剤へ増量した時点に比べ拡張期血圧で7.26mmHg、収縮期血圧で8.61mmHg(いずれも平均値)下降した。また、本剤の安全性を検討した結果、忍容性に問題はなかった。18)

薬効薬理

1.
作用機序
テルミサルタンとして、以下の報告がある。
本剤は主に血管平滑筋のアンジオテンシンIIタイプ1(AT1)受容体において、生理的昇圧物質であるアンジオテンシンII(A-II)と特異的に拮抗し、その血管収縮作用を抑制することにより降圧作用を発現する。本剤のAT1受容体親和性は高く(Ki=3.7nM)、AT1受容体から容易に解離しない。本剤は10〜1000nMの濃度範囲で、A-IIによる摘出ウサギ大動脈標本の血管収縮反応曲線を、濃度依存的に右方に移動させると共に最大収縮を40〜50%抑制する。また標本洗浄120分後においても有意な血管収縮抑制を示し、作用は持続的である。また、ブラジキニン分解酵素であるACE(キニナーゼII)に対しては直接影響を及ぼさない。19-22)
アムロジピンベシル酸塩として、以下の報告がある。
細胞膜の膜電位依存性カルシウムチャンネルに特異的に結合し、細胞内へのカルシウムの流入を減少させることにより、冠血管や末梢血管の平滑筋を弛緩させる。カルシウム拮抗作用の発現は緩徐であり、持続的である。また、心抑制作用は弱く、血管選択性が認められている。23-25)
2.
降圧作用
テルミサルタンあるいはアムロジピン単独あるいは併用による作用について、以下の報告がある。
覚醒下の雄性SHRを用いて、1mg/kgテルミサルタン及び5mg/kgアムロジピンを1日1回経口投与し、5日間経時的に血圧を測定したところ、1mg/kgテルミサルタン及び5mg/kgアムロジピンは、それぞれ単独投与により平均血圧が約25mmHg低下し、ほぼ同様の血圧低下作用を示した。次に、1mg/kgテルミサルタン、5mg/kgアムロジピン併用で1日1回5日間経口投与を行い、経時的に血圧を測定した。テルミサルタンとアムロジピンの併用投与による血圧に対する作用は、単独投与による血圧低下作用(約25mmHgの低下)に比べ、有意な血圧低下作用(約50mmHgの低下)がみられた。26)

有効成分に関する理化学的知見

一般名
テルミサルタン(JAN)
Telmisartan(JAN,INN)
化学名
4’-{[4-Methyl-6-(1-methyl-1H-benzimidazol-2-yl)-2-propyl-1H-benzimidazol-1-yl]methyl}biphenyl-2-carboxylic acid
化学構造式
raster
分子式
C33H30N4O2
分子量
514.62
性状
・白色〜微黄色の結晶性の粉末である。
・ギ酸に溶けやすく、メタノールに溶けにくく、エタノール(99.5)に極めて溶けにくく、水にほとんど溶けない。
・結晶多形が認められる。
融点
269℃
分配係数
logP=3.2(n-オクタノール/pH 7.4リン酸緩衝液)
一般名
アムロジピンベシル酸塩(Amlodipine Besilate)
化学名
3-Ethyl 5-methyl(4RS)-2-[(2-aminoethoxy)methyl]-4-(2-chlorophenyl)-6-methyl-1,4-dihydropyridine-3,5-dicarboxylate monobenzenesulfonate
化学構造式
raster
分子式
C20H25ClN2O5・C6H6O3S
分子量
567.05
性状
・白色〜帯黄白色の結晶性の粉末である。
・メタノールに溶けやすく、エタノール(99.5)にやや溶けにくく、水に溶けにくい。
・メタノール溶液(1→100)は旋光性を示さない。
融点
約198℃(分解)

取扱い上の注意

分包後は吸湿して軟化することがあるので、高温・多湿を避けて保存すること。

包装

ミカムロ配合錠AP:100錠(10錠×10)PTP、500錠(10錠×50)PTP、700錠(14錠×50)PTP、500錠 瓶
ミカムロ配合錠BP:100錠(10錠×10)PTP、700錠(14錠×50)PTP

主要文献及び文献請求先

主要文献

1)
Stangier J et al:J Clin Pharmacol40:1373,2000
2)
Makani H et al:BMJ346:f360, 2013
3)
**Naito T et al:J Hum Lact31(2):301, 2015
4)
岩井孝一ほか:社内資料 相対バイオアベイラビリティ試験
5)
村井雅子ほか:社内資料 相対バイオアベイラビリティ試験
6)
三田哲也ほか:社内資料 健康成人での薬物動態試験
7)
岩井孝一ほか:社内資料 健康成人での薬物動態試験
8)
Stangier J et al:J Clin Pharmacol40:1347,2000
9)
H Narjes et al:社内資料 健康成人での薬物動態試験
10)
茶珍元彦ほか:社内資料 食事の影響試験
11)
Stangier J et al:J Clin Pharmacol40:1312,2000
12)
荻原俊男ほか:薬理と治療30(Suppl.1):S7,2002
13)
Schondorfer G et al:社内資料 肝機能障害患者の薬物動態試験
14)
岡崎浩太郎ほか:社内資料 検証試験
15)
村井雅子ほか:社内資料 検証試験
16)
坂本祐史ほか:社内資料 検証試験
17)
坂本祐史ほか:社内資料 比較試験
18)
黒木大介ほか:社内資料 長期投与試験
19)
Wienen W:Br J Pharmacol110(1):245,1993
20)
Wienen W:Cardiovascular Drug Reviews18(2):127,2000
21)
Entzeroth M:社内資料in vitro試験
22)
Wienen W:社内資料in vitro試験
23)
Yamada S et al:J Cardiovasc Pharmacol23(3):466,1994
24)
山中教造ほか:日本薬理学雑誌97(3):167,1991
25)
Burges R A et al:J Cardiovasc Pharmacol9(1):110,1987
26)
Katalin K et al:社内資料 血圧の併用試験

文献請求先

主要文献に記載の社内資料につきましても下記にご請求下さい。
アステラス製薬株式会社 メディカルインフォメーションセンター
〒103-8411 東京都中央区日本橋本町2丁目5番1号
フリーダイヤル:0120-189-371

日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社
DIセンター
〒141-6017 東京都品川区大崎2丁目1番1号 ThinkPark Tower
0120-189-779
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