よくある質問 : トラディアンス

用法・用量

トラディアンス配合錠を一包化して処方することはできますか?

本剤の一包化につきましては、次のデータを参考にご判断お願い致します。

<参考>
40℃、75%RH 6カ月 無包装
崩壊の遅延、分解生成物の増加、含量の低下
APは1カ月まで、BP は6カ月まで規格内

30℃、75%RH 6カ月 無包装
崩壊の遅延
APは3カ月まで、BPは6カ月まで規格内

25℃、60%RH 6カ月 無包装
変化なし

光 250Wꞏh/m2 120万lux・h以上 ガラスシャーレ
変化なし

評価項目:外観、含量、崩壊性、溶出性、純度試験

<引用>
トラディアンス配合錠 インタビューフォーム Ⅳ.製剤に関する項目 6.製剤の各種条件下における安定性

トラディアンス配合錠を半錠にして投与することはできますか?

本剤の半錠投与は承認された用法ではないので、お勧めはできません。
本剤の半錠での有効性、安全性ならびに安定性に関する検討は行っておらず、割線も入っておりません。

トラディアンス配合錠を粉砕して投与することはできますか?

本剤の粉砕投与は承認された用法ではないので、お勧めはできません。

<参考>
粉砕品安定性試験結果
【AP錠】
25℃/60%RHでは2週間まで変化なし。4週間で外観変化あり。
25℃/75%RH,30℃/75%RH,40℃/75%RH,30℃/92%RHでは2週間で外観変化あり。
光照射下(キセノンランプ,250W/m2,22 時間)では,外観変化及び含量が規格外となった。

〇含量・分解生成物の変化
25℃/60%RH,30℃/75%RHは3か月まで,25℃/75%RHでは6か月まで,40℃/75%RHでは4週間まで,30℃/92%RHでは2週間まで安定であった。

【BP錠】
25℃/60%RH,25℃/75%RH,30℃/75%RH,40℃/75%RH,30℃/92%RHでは2週間で外観変化あり。
光照射下(キセノンランプ,250W/m2,22 時間)では,外観変化及び含量が規格外となった。

〇含量・分解生成物の変化
25℃/60%RH,30℃/75%RHは3か月まで,25℃/75%RHでは6か月まで,40℃/75%RHでは4週間まで,30℃/92%RHでは2週間まで安定であった。

<引用>
トラディアンス配合錠 インタビューフォーム ⅩⅢ.備 考 1.調剤・服薬支援に際して臨床判断を行うにあたっての参考情報

トラディアンス配合錠を簡易懸濁法で投与することはできますか?

本剤の簡易懸濁法での投与は承認された用法ではないので、お勧めはできません。
尚、社内試験の結果は55℃の水20 mLに対して5分で崩壊しました。
また,調製した懸濁液はチューブを通過しました。

<参考>
試験方法
シリンジに錠剤1 個と約55℃の水20 mL を入れ,錠剤の崩壊性を調査した。
別に粉砕した錠剤を用いて調製した懸濁液がチューブを通過できるかどうかを評価した。
調製直後及び10 分間放置後の懸濁液の含量及びpH を測定した。

試験結果

項目 結果
トラディアンス配合錠AP トラディアンス配合錠BP
崩壊 5分で崩壊した 5分で崩壊した
チューブ通過 8Frサイズのチューブを通過した 8Frサイズのチューブを通過した
pH 10分放置後8.92(懸濁直後8.92) 10分放置後8.95(懸濁直後8.91)
含量 エンパグリフロジン
10分放置後99.1%(懸濁直後99.1%)
リナグリプチン
10分放置後98.8%(懸濁直後98.7%)
エンパグリフロジン
10分放置後99.0%(懸濁直後100.9%)
リナグリプチン
10分放置後98.4%(懸濁直後99.6%)

<引用>
トラディアンス配合錠 インタビューフォーム ⅩⅢ.備 考 1.調剤・服薬支援に際して臨床判断を行うにあたっての参考情報

特殊患者

周術期患者では、トラディアンス配合錠の休薬が必要ですか?

本剤の添付文書上、手術前後の患者は禁忌となっております。
トラディアンス配合錠 添付文書 2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)
2.3 重症感染症、手術前後、重篤な外傷のある患者
[インスリン注射による血糖管理が望まれるので本剤の投与は適さない。]

<参考>
糖尿病患者の代謝調整は、感染を機に急速に悪化し、コントロールが困難になりやすいといわれているため、重症感染症時にはインスリン投与による治療が適応となる。また、手術や重篤な外傷のストレスは、副腎髄質からのアドレナリン分泌を増加し、グリコーゲン及び脂肪の分解が促進され、インスリン分泌が抑制される。更に、視床下部からの刺激により脳下垂体前葉から ACTH(副腎皮質刺激ホルモン)の分泌が生じ、副腎皮質ホルモンの分泌が増加する。これらのコルチゾールは蛋白、アミノ酸からの糖新生を促進し、高血糖を起こす方向に作用するため、手術前後や重篤な外傷のある糖尿病患者は、インスリン注射による血糖管理が適しているため、本剤を投与しない。

<引用>
トラディアンス配合錠 添付文書
トラディアンス配合錠 インタビューフォーム Ⅷ.安全性(使用上の注意等)に関する項目 2.禁忌内容とその理由

腎機能障害患者へのトラディアンス配合錠の投与は可能ですか?

本剤の添付文書上、以下の注意喚起をしております。
高度腎機能障害患者又は透析中の末期腎不全患者では本剤の効果が期待できないため、投与しないこと。
中等度腎機能障害患者では本剤の効果が十分に得られない可能性があるので投与の必要性を慎重に判断すること。

<参考>
エンパグリフロジン投与により、血清クレアチニンの上昇又はeGFRの低下がみられることがあるので、腎機能を定期的に検査すること。腎機能障害患者においては経過を十分に観察し、継続的にeGFRが45mL/min/1.73m2未満に低下した場合は投与の中止を検討すること。

エンパグリフロジン
日本人腎機能正常(推定糸球体濾過量[eGFR]≥90mL/min/1.73m2、8例)及び軽度(eGFR 60~ <90mL/min/1.73m2、8例)、中等度(eGFR 30~<60mL/min/1.73m2、8例)、高度腎機能障害(eGFR 15~<30mL/min/1.73m2、8例)の2型糖尿病患者にエンパグリフロジン25mg単回経口投与を行った。単回投与後の薬物動態パラメータの正常腎機能患者に対する幾何平均値の比とその90%信頼区間は、軽度、中等度、高度腎機能障害患者でそれぞれCmaxについて、93.5[72.2, 121]%、92.2[71.2, 119]%、94.0[72.6, 122]%であり、AUC0-∞について129[106,157]%、144[118, 175]%、152[125, 185]%であった。投与後24時間までの尿中グルコース排泄量(UGE0-24h)のベースラインからの変化量の平均値は、腎機能正常患者で75.0g、軽度腎機能障害患者で62.6g、中等度腎機能障害患者で57.9g、高度腎機能障害患者で23.7gと腎機能の低下とともに減少した。
末期腎不全患者(8例)にエンパグリフロジン50mg)単回経口投与を行った場合、Cmax及びAUC0-∞の正常腎機能患者(8例)に対する幾何平均値の比とその90%信頼区間は、104[81.2, 133]%及び148[120, 183]%であった。UGE0-24hのベースラインからの変化量の平均値は0.78gであった。(外国人データ)
注)エンパグリフロジンの承認用量は10mg及び25mgである。

リナグリプチン
健康被験者(クレアチニンクリアランス[Ccr]>80mL/min、6例)及び軽度(Ccr>50~≤80mL/min、6例)、中等度腎機能障害患者(Ccr>30~≤50mL/min、6例)にリナグリプチン5mg単回及び反復投与、並びに高度(Ccr≤30mL/min、6例)及び末期腎機能障害患者(Ccr≤30mL/minで血液透析が必要、6例)にリナグリプチン5mg単回投与を行った。単回投与後のAUC0-24hは健康被験者に比べて、軽度、中等度、高度、末期腎機能障害患者でそれぞれ約1.3倍、1.6倍、1.4倍、1.5倍であり、Cmaxはそれぞれ約1.3倍、1.6倍、1.5倍、1.5倍であった。反復投与後のAUCτ,ssは健康被験者に比べて、軽度及び中等度腎機能障害患者でそれぞれ約1.1倍及び1.7倍であり、Cmax,ssはそれぞれ約1.0倍及び1.5倍であった。
腎機能正常(11例)及び高度腎機能障害を有する(10例)2型糖尿病患者にリナグリプチン5mg反復投与を行った。高度腎機能障害を有する2型糖尿病患者における反復投与後のAUCτ,ss及びCmax,ssは腎機能正常2型糖尿病患者に比べて、ともに約1.4倍であった。腎機能障害患者の累積係数は健康被験者と同程度であり、尿中排泄率は腎機能障害の程度によらず全群で低かった。(外国人データ)

<引用>
トラディアンス配合錠 添付文書

授乳婦へのトラディアンス配合錠の投与は可能ですか?

本剤の添付文書上、授乳しないことが望ましい、と記載しています。
エンパグリフロジン及びリナグリプチンの動物実験(ラット)で、乳汁中への移行が報告されています。

<引用>
トラディアンス配合錠 添付文書

妊婦へのトラディアンス配合錠の投与は可能ですか?

本剤の添付文書上、妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、本剤を投与せず、インスリン製剤等を使用すること、と記載しています。
エンパグリフロジンの動物実験(ラット)で、ヒトの妊娠中期及び後期にあたる幼若動物への曝露により、腎盂及び尿細管の拡張が報告されています。
また、動物実験(ラット)で胎児への移行が報告されています。
リナグリプチンの動物実験(ラット及びウサギ)で、胎児への移行が報告されています。

<引用>
トラディアンス配合錠 添付文書

小児へのトラディアンス配合錠の投与は可能ですか?

本剤の添付文書上、「通常成人には」と記載しておりますので、小児への使用はお勧めできません。
また、小児に対する安全性は確立しておりません。

<参考>
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

<引用>
トラディアンス配合錠 添付文書

高齢者にトラディアンス配合錠を投与する場合の注意点はありますか?

高齢者は、一般に生理機能が低下し、脱水症状(口渇等)の認知が遅れるおそれがあるため、慎重にご検討いただくようにお願いします。
75歳以上の高齢者では、エンパグリフロジンの国内外の臨床試験の併合解析において、75歳以上の患者では75歳未満の患者と比較し、エンパグリフロジン25mg群で体液量減少の有害事象の発現割合が高かった、と報告されています。

また、脱水を起こしやすい患者(血糖コントロールが極めて不良の患者、高齢者、利尿剤併用患者等)としても注意喚起をしております。

<参考>
エンパグリフロジンの利尿作用により多尿・頻尿がみられることがある。また、体液量が減少することがあるので、適度な水分補給を行うよう指導し、観察を十分行うこと。脱水、血圧低下等の異常が認められた場合は、休薬や補液等の適切な処置を行うこと。特に体液量減少を起こしやすい患者(高齢者、腎機能障害患者、利尿薬併用患者等)においては、脱水や糖尿病性ケトアシドーシス、高浸透圧高血糖症候群、脳梗塞を含む血栓・塞栓症等の発現に注意すること。

エンパグリフロジン
2型糖尿病患者3208例(日本人患者628例を含む)を用いた母集団薬物動態解析の結果、年齢が50歳の場合に比べてエンパグリフロジンのAUCτ,ssは65歳では8.00%、75歳では12.5%高くなると予測された。

リナグリプチン
日本人2型糖尿病患者(159例)にリナグリプチン5mgを1日1回26週間投与したときのトラフ時の血漿中濃度の幾何平均値(幾何変動係数%)は65歳未満で6.57nM(31.1%)、65歳以上で7.66nM(26.9%)であった。

<引用>
トラディアンス配合錠 添付文書

肝機能障害患者へのトラディアンス配合錠の投与は可能ですか?

高度肝機能障害患者を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していないため、慎重にご検討いただくようにお願いします。

<参考>
エンパグリフロジン
肝機能正常被験者(12例)及び軽度(Child-Pughスコア5又は6、8例)、中等度(Child-Pughスコア7~9、8例)、高度(Child-Pughスコア10~15、8例)肝機能障害者にエンパグリフロジン50mg)単回経口投与を行った。単回投与後の薬物動態パラメータの肝機能正常被験者に対する幾何平均値の比とその90%信頼区間は、軽度、中等度及び高度肝機能障害者でそれぞれCmaxについて104[82.3, 131]%、123[97.7, 156]%、148[118,187]%であり、AUC0-∞について123[98.9, 153]%、147[118, 183]%、175[140, 218]%であった。(外国人データ)
注)エンパグリフロジンの承認用量は10mg及び25mgである。

リナグリプチン
健康被験者(8例)及び軽度(Child-Pughスコア6、8例)、中等度(Child-Pughスコア7~9、9例)、高度(Child-Pughスコア10~15、8例)肝機能障害患者にリナグリプチン5mg単回投与、並びに健康被験者及び軽度、中等度肝機能障害患者にリナグリプチン5mg1日1回7日間反復投与を行った。反復投与後のAUCτ,ssは健康被験者に比べて軽度及び中等度肝機能障害患者でそれぞれ約0.8倍及び0.9倍であり、Cmax,ssは約0.6倍及び0.9倍であった。また、高度肝機能障害患者のAUC0-24hは健康被験者に比べて1.0倍、Cmaxは0.8倍であった。
肝機能障害患者におけるリナグリプチンの曝露は健康被験者よりやや低く(最大36%:軽度肝機能障害患者のCmax,ss)、肝機能の低下に伴う曝露の増加はみられなかった。(外国人データ)

<引用>
トラディアンス配合錠 添付文書

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